介護職員初任者研修の講座内容とカリキュラム
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級講座)を行っている学校で、有名どころであるニチイ学館。
私はそのニチイ学館でホームヘルパー2級講座を受講しました。
現在では介護職員初任者研修と名称が変わっており受講内容も少し変わりました。
これからニチイでヘルパーの資格を取ろうとされている方の為に、現在行われている講座内容を調べてみました。
介護職員初任者研修の講座内容
(1)実技スクーリング
受講時間は95時間(16日間)で、介護技術を中心に教室で学びます。
介護される側とする側の双方を演習で体験し、現場で即対応できる技術を体得できます。
ニチイでは1グループ5〜6人と少人数制なので、技術演習では必ず全員が順番に技術を体験できるようになっています。
中でも、
- 認知症の理解については6時間
- 生活支援技術は75時間
と、スクーリング中の大きな時間枠を割り振られており、学習に力を入れていると言えます。
ちなみに旧ホームヘルパー2級講座では受講時間は全体で52時間でしたので、昔よりも今行われている講座の方が、実践的な介護スキルを学ぶ上では学習内容は充実してきていると思います。
学習内容の一部紹介
- 介護職の理解
- 介護保険制度
- コミュニケーション
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 生活支援技術
など。
また、生活支援技術についてはスクーリング中に介助技術(衣服着脱やおむつ交換などの支援技術のこと)の確認テストがあります。
きちんと技術が行えるか講師がチェックをしてA〜Dの4区分で評価を行い、AかBで合格となります。
もし不合格だった場合は別日で補講再試験となり、補講費は2回目以降有料(3000円)となるので注意が必要です。
(2)自宅学習(通信)
受講時間の目安は35時間(上限40.5時間、4ヶ月)※学習時間の目安であり個人のペースによって変わります
この部分だけ通信講座として自宅受講可能としているスクールが多いです。
オリジナルテキスト5冊での学習となり、技術スクーリングと平行して自宅で学習していきます。
具体的には毎日1〜2時間少しずつテキストを読み理解していくのが一般的な学習法となるようです。
学習中の疑問点は技術スクーリング中に講師に質問できますし、スクーリングの内容もこのテキストに関連しているのでテキストの内容を理解しやすくなっていると思います。
また自宅学習についてはテキストと一緒にレポート問題が4つ配布され、学習中に全て講師に提出し添削指導を受けます。
このレポートについては70点以上が合格。それ以下は合格点に達するまで再提出となります。
(3)修了試験
スクーリングと自宅学習全てを終了後に「修了試験」を受験します。
この試験はスクーリングの最後の二日間に受験するスケジュールになっているので、ここまでに技術スクーリングの確認テストと自宅学習のレポートの問題を全て終えておく必要があります。
修了試験は70点以上を合格とし、不合格者は有料(3000円)で再試験を受けます。
他にスクーリング全日程を出席していること、受講費が完納されていることも資格取得の条件となっています。
ここまで読んでくださった方には、資格を取れるまでに大変かと思われてしまったかもしれません。
ですが、基本4ヶ月間の受講期間に加えてプラス4ヶ月間無料の延長期間が設けられていますので、もしレポートや修了試験などをパスするのに時間がかかってしまっても、延長期間内に再チャレンジできます。
講師は重要なポイントなど必ずヒントをくれますし、講座を受け始めたらなるべく中断せずに学習を進めれば合格まではスムーズだと思います。
また、各種スクールに問い合わせたところ、「マジメに受講している生徒であれば、修了試験に落ちることはない」とのことです。
カリキュラム
介護職員初任者研修は、
- 演習95時間(実技)
- 講義35時間(科目)
の合計130時間が受講時間となります。
その内訳は、9科目と振り返りの時間となります。
研修カリキュラムと内容と時間数
科目は9科目+振り返りで10科目あります。
- 職務の理解。多様なサービスの理解等を学ぶ。実施時間6時間
- 介護における尊厳の保持・自立支援。人権と尊厳を支える介護等を学ぶ。実施時間9時間
- 介護の基本。介護職の役割、専門性と他職種の連携等を学ぶ。実施時間6時間
- 介護・福祉サービスの理解と医療の連携。介護保険制度等を学ぶ。実施時間9時間
- 介護におけるコミュニケーション技術。介護におけるコミュニケーション等を学ぶ。実施時間6時間
- 老化の理解。高齢者と健康等を学ぶ。実施時間6時間
- 認知症の理解。認知症を取り巻く状況等を学ぶ。実施時間6時間
- 障害の理解。障害の基礎的理解等を学ぶ。実施時間3時間
- こころとからだのしくみと生活支援技術。基礎的知識の学習等を学ぶ。実施時間75時間
- 振り返り。就業への備えと研修終了後における継続的な研修。実施時間4時間
講義と演習の内容
カリキュラムの構成は、以下のような項目が規定されており、講師は授業を進めていきます。
- 各科目は知識・理論・技術等を習得するための「講義」と講義によって学んだ事項の理解を深めるための「演習」を一体的に行うものとする
- 各科目における演習については、グループ討論、事例討議、実技演習等、事業者が創意工夫して実施すること
講義は教科書をもとに進めて、演習は講師が中心になってロールプレイ等を行います。
実際介護現場で起こりうる状況を想定して、更衣や食事介助の場面を一方が介助者、一方が利用者役になって行います。
生徒同士が討論する場合もありますし、事例を基に意見を出し合い、介助を練習したりと実践的な演習を行います。
施設実習(任意)
開催校によってはカリキュラムの中に、任意参加の施設実習を設けているところもあります。
実習施設は1年以上経過している施設と規定されており、実習指導者は3年以上介護業務に従事しているものとされており、現場経験豊富な介護職員が実習担当となり実習を行います。
次は「学科の通信レポート提出と修了試験について」です。