介護職員初任者研修から任意参加になりました

初任者研修から任意になった現場実習について

介護施設への現場実習は、旧ホームヘルパー2級講座の時から行われています。
私は講座受講中に現場実習に参加した時の内容としては、5日間で3種類の現場に行き実際の介護の現場を見るというものでした。

 

ですが、介護職員初任者研修へと名称が変更になった後は、現場実習の受講は任意になってしまいました。

 

個人的には任意になってしまったとは言え、ぜひ参加をお勧めしています。

 

  • 介護の現場では、どんなお仕事をするのか?
  • 施設によってどのような違いがあるのか?

などを就職前に実体験できる貴重な機会だからです。

 

私の経験した「現場実習」をまとめてみましたので、ぜひ参考にして頂ければと思います!

 

ニチイケアセンター大師(デイサービス)

デイサービスは、利用者さんが日帰りで日中を過ごす場所です。
ちなみにヘルパーなどの介護サービスを受けている人のことを利用者と呼びます。

 

職員の仕事は?
車での送迎

まず、車4台ほどで50名程の利用者のお宅を回ります。
その車へは車椅子ごと乗ります。

 

デイサービスの送迎

 

申し送り

来られたご利用者の体調など注意点を職員間で確認し合います。

 

お茶出し

嚥下障害の方へは、とろみをつけてお茶を出していました。

 

レクリエーション

全員で体を動かす体操やゲームを行ったり、ニュースなど時勢の話題などについてお話していました。

 

入浴介助

デイサービスには大浴場がありほとんどの方がお風呂に入っていました。

 

その日担当する2〜3名の職員が半袖短パンで利用者の体を洗い、

  • 着替え
  • ドライヤー

などの介助を行います。

 

私が行った施設には、機械浴で寝たまま入浴できる設備も整っていました。

 

食事介助

昼食とおやつを調理師の方が作り、職員が配膳します。
ご自分で上手く食べられない方には、食事介助を行います。

 

服薬介助

お薬を持ち込まれる利用者が多いので、食後等に飲み忘れないように確認を行っていました。

 

トイレ介助

おむつ交換もトイレ介助の一つです。
また、トイレまで移動が危ないご利用者に対しては、スタッフが付き添います。

 

掃除

机・手すり・いすなどは消毒だけでなく、拭き掃除もシッカリと行っているのが印象的でした。

 

デイサービスの感想

一番大変だと思ったのは入浴介助です。
50名程の利用者をお風呂に入れるので朝から夕方まで一日かかってしまうからです。
まさに体力勝負だと思いました。

 

また、デイサービスに来られる利用者は一人で外出や入浴は難しいけれども、心と頭はお元気な方が多くいらっしゃいました。

 

ゲームやカラオケなど楽しんでされている姿も印象的で、週何回かのデイサービスを楽しみにしている方も多いのが実際のところです。

 

その反面レクリエーションの内容などつまらなそうな様子の方もいたのも事実です。

 

集団で過ごすデイサービスでは個人に対して何か対応するのは難しいかもしれませんが、リサーチするなどして皆が興味を持てる新しいレクリエーションや話題を考えるのもやりがいがありそうだと思いました。

 

グループホームニチイのほほえみ(川崎と小倉の2日間)

グループホームは中度認知症高齢者を対象としている介護施設です。

 

小規模な住宅で職員が共同生活をしているのが特徴です。
また、老人ホームとは違い家庭的な環境で自主性も尊重しています。

 

私が現場実習で行ったグループホームは、寝室が全て個室になっていました。

 

職員の仕事
ローテーション勤務

利用者9名に対して職員5名がローテーションで勤務していました。
日中は2名、夜勤1名体制。

 

2日連続出勤して、2名のうちどちらかが夜勤に入ります。
夜勤明けは2日間お休みです。

 

朝、昼、晩の食事作り

宅配業者から食材とメニューが届くので、調理のみ行います。
ただし利用者によりミキサーにかけたり食べ物の堅さに気をつけていました。

 

食事介助

認知症であまりお元気が無い利用者も多く食事が進まないので、横に付き添ってスプーンなどで食べさせていました。
水分補給も決まった時間に行います。

 

掃除/洗濯/トイレ/着替え介助

シーツ交換・着替え・失禁などの対応の為、一日中洗濯機を回しているのが強く記憶に残りました。

 

バイタルチェック

体温・血圧を計り管理表に記入します。

 

入浴介助

1日2名の利用者をお風呂に入れていました。

 

体調管理表の記入

勤務した日の利用者の様子などを記入しておく日報のようなものです。

 

夜勤業務

仮眠を取りながら夜回りを行います。
ベッドから落ちてしまったり徘徊してしまう利用者も多いので、夜勤は責任重大です。

 

医師のチェック

週2回医師の往診があり、週一回看護師の訪問がありました。

 

グループホームの感想

グループホームのご利用者様たちは起きている時はリビングで座って過ごしています。
座ったまま居眠りされたり独り言を言ったり。

 

ですが、認知症もあるのでこちらから話かけない限りほとんど会話はありませんでした。

 

テレビが好きな方はご自分の好きなDVDを見たりして静かに過ごしておられます。
職員は自分の仕事をしながらも利用者に話しかけたり、唱歌をみんなで歌うなどちょっとしたレクリエーションも行っていました。

 

体を動かすようなリハビリ的なものはありませんでしたが、元気な方は様子を見て散歩に出ることもあるとのことです。
基本的には外へ出られないように扉にロックをかけ、建物の周りはフェンスで覆ってありました。

 

外へ出たがる方も多いので、なだめたりするのも大変そうですが、認知症である利用者の安全を考えると、徹底しなければならないと思いました。
ここらへんは倫理と実際の問題で難しそうです。

 

また、食事と水分補給に思いのほか時間がかかっていましたが、なるべく全部を食べて頂くように根気強く食事介助を行っていました。

 

気分を変えるのに話しかけたり、一度トイレに行ってみたりして工夫をされていました。

 

認知症の方と接してみて、このような方々をご自宅で毎日介護されているご家族は大変だろうと思いました。
ご家族のための介護サービスが非常に大切だと感じました。

 

ホームヘルプサービス同行訪問(2日間)

訪問介護とはヘルパーが利用者の自宅に訪問して日常生活のお世話を行い、健全で安らかな居宅生活を送れるようサポートすることです。

 

グループホームなどの施設で暮らすのと比べると、在宅の方がよりご利用者の生活スタイルに合わせた介助をすることができます。

 

そのことでご利用者がプライドを持って生活できます。
また、個人のお宅に上がるので、プライバシーに十分配慮が必要になります。

 

例えば、

  • ご家庭内の事など必要以上に聞かない
  • 家の中をじろじろ見ない
  • お休みになっている利用者を見下ろすような位置に立たない

など、施設以上に気を使います。

 

Aさん70代女性:一人暮らし(ヘルパーの訪問は毎日1.5時間)
Aさんの状態やライフスタイル

まずAさんがどのような身体の状態で、どのような毎日の生活を送っているのかを共有します。

 

自宅のお風呂にご自分で入ることができないため、週一回、先ほども紹介したデイサービスで入浴しています。
また、長く立って居られないので自炊もされていません。

 

朝と昼はスーパーのお惣菜やパン等で、夜は宅配弁当を召し上がっていました。

 

家の通路やトイレ入り口などに手すりを設置してある状態です。

 

身体介助

着替え・入浴などを行います。
ただし本人の意思を確認して行うので、毎回お風呂に入ったりはしないそうです。

 

実際に実習時は足浴のみでした。

 

買い物

必要な物をご利用者に聞き、現金を預かってスーパーに買いに行くのもヘルパーの仕事です。

 

冷蔵庫の中の賞味期限が切れた物は捨てていました。

 

掃除

台所、洗面所、通路、トイレなどを水拭きします。
ぞうきんやたらいなど使った物は元の位置に戻すのが鉄則です。

 

服薬等

お薬カレンダー(※カレンダーの日にちごとにポケットが付いていて毎回飲む分の薬を分けて入れておけるもの)を見て飲み忘れが無いか確認します。

 

水分補給できているかを聞き、テーブルの上のコップと水のペットボトルを常に置いていました。

 

洗濯

汚れ物を手洗いし、部屋の中に干します。

 

感想

週一回デイサービスに行く以外は外出されないので、毎日来るヘルパーさんを心待ちにしている様子が忘れられませんでした。

 

ヘルパーさんは明るく世間話しをしながらも体調を伺っており、また何回も同じ事をお話しになるがその都度合づちを打って返事をしていました。

 

その事で利用者が安心されている様子だったのが非常に参考になりました!

 

Bさん80代女性:息子さんと二人暮らし(ヘルパーの訪問は月〜金1.5時間)
Bさんについて

過去に骨折で入院されてからリハビリをして、少しずつ杖歩行できるように回復されてきたが、まだ完全ではないでした。

 

なので、着替え等座ってできることはご自身でやって頂き、足や腰を使う動作等はヘルパーが介助するのが基本でした。

 

家の中の必要な所には手すりが設置されています。

 

ヘルパーとしての仕事なので、息子さんの部屋などの掃除はしない(してはいけない)です。
あくまでもご本人の支援であるので、他の事を頼まれても、説明をしてご理解頂くようにするのが規則で決まっています。

 

買い物

近所のドラッグストアへ日用品の買い出しに行くのに、ご本人の付き添いを行いました。
ヘルパーが買い物に行くこともありますが、同行の時もあります。

 

ご本人は杖を付き反対側をヘルパーと腕を組んで、途中休みながらゆっくり歩いていました。

 

ヘルパーと一緒に買い物

 

掃除

依頼者から、

  • 掃除機をかける部屋の順番
  • フローリングにファブリーズをかけてクイックルワイパーで拭く

などの細かい指示があるのでその通り行いました。

 

入浴介助

ヘルパーが一緒に浴室に入り介助します。
出た後はヘルパーが浴室を洗います。

 

着替えはご自分でできる方でした。

 

訪問介護の感想

ご利用者の要求がはっきりしていて、ヘルパーがくる前に、

  • その日やってもらいたいこと
  • 買い物したい物

など考えてメモしておられた。
また、近所のドラッグストアに行った時には、店員と顔なじみで長くこの地域に住んでおられることを感じられました。

 

とはいえ、1.5時間の中でやる作業量が多く、5分程オーバーしていたので時間配分に気をつけながら行う必要があると思いました。

 

総括としては、もしかしたら現場実習の段階から、良い利用者さんに当たったのではないかと思います。

 

そして、リハビリや治療で足と腰が回復すれば、介護は必要無くなるので頑張って頂きたいと思いました。

 

介護が必要になっても生活環境を変えず、ご自分の慣れた場所で住むことは、利用者の生き甲斐になっているだろうと思いました。