福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、身体に障害を抱える方、年齢を重ねるにつれ身体の能力が低下して自宅で過ごしにくさを感じている方に、バリアフリーなどの居住空間の改善を提案する資格です。
また介護用品や生活品などについてのアドバイスも行います。
どう活用するかが大事な資格!
福祉住環境コーディネーターとは?何ができるの?
福祉住環境コーディネーターは、福祉や住宅に関する専門知識を持ち、高齢者や身体に障害のある方の為に自宅をバリアフリーにするなど住みやすい住宅環境づくりを提案するアドバイザーです。
福祉住環境コーディネーター2級以上の資格保有者は、介護保険制度を利用した「住宅改修理由書(住宅改修が必要な理由書)の作成」をすることが認められています。
ちなみに住宅改修理由書の作成が認めれている他の資格は、
- ケアマネージャー
- 理学療法士
- 作業療法士
となっています。
最近は特に重要視されてきています!
介護保険制度が実施され、介護保険を利用した福祉用具のレンタルや住宅改修が行われるようになってきた現在、
健常者の視点から見る居住空間ではなく、福祉の視点から見る居住空間を提供できる福祉住環境コーディネーターの存在が重要視されるようになってきました。
手すりの設置など
ただ単に手すりを設置するだけでなく、その高さにもこだわります。
試験について
福祉住環境コーディネーターになるには、東京商工会議所が主催する試験(3級から1級まで)に合格する必要があります。
難易度は3級が一番簡単で、1級が一番難しくなっています。
3級は高齢者福祉や住宅に関する基礎知識についてが中心になります。
2級からは「居宅介護住宅改修費の申請理由書」を作成する事が可能となりますので難易度はあがります。
1級では2級の知識を踏まえ利用者への計画支援の作成が必要となってきます。
試験内容もマークシートだけでなく記述も追加され合格率は4〜5%非常に難関な試験になります。
【管理人が実際に受験した時の体験談】
私は学生時に3級の試験を受けたことがありますが、はっきり言って非常に簡単でした。
ほとんど勉強せずとも合格することが出来ます。
福祉系の大学に在学していたため基礎知識があった為ですが、3級であればテキストを購入し独学で合格が可能だと思います。
しかし2級以上となると難易度は一気に跳ね上がり、1級となると超難関ですますのでそれなりの対策が必要だと思われます。
取得後に活躍できる場所
福祉系の知識だけでなく住環境に関する知識も習得できるので、介護施設だけでなく、
- 福祉系施設
- 公共施設
- 建築現場
- 住宅関係
など、より一層活躍の場を広げることができます!
2級以上を取得することができればさらにチャンスを広げられます。
一緒に持っていると転職、就職に有利な資格は?
福祉住環境コーディネーター資格保有者が活躍している場所は、
- 福祉用具貸与事業所
- 介護施設
- 住宅改修を請け負っている工務店
などがあげられます。
私の体験談なのですが、ヘルパー2級と同時期に福祉住環境コーディネーター2級を受験して合格しました!
この条件で、介護未経験者として就職活動をした結果、面接に行った全ての介護施設で採用になったのです。
採用になった理由はヘルパー2級と住環境コーディネーターの資格をセットで資格を持っていたからと採用担当から聞いております。
とはいえ、正直な話、福祉住環境コーディネーター2級の資格だけでは就職は難しいのが現実です。
ですから、介護業界への就職の為には介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)を先に取得することをオススメします。
私はその後ケアマネになりましたが、最初に取得した福祉住環境コーディネーター2級の知識は今もフル活用できています。
キャリアアップを目指す方は、ぜひ2個目3個目の介護資格として取得してもらいたい資格です。
またキャリアアップだけでなくスキルアップの資格としても非常におすすめで、ケアマネージャーや社会福祉士など相談業務が中心となる方はタイミングを見て取得しておきましょう!
さらに余裕のある方へ:福祉用具専門相談との相性も良いので、ステップアップとして検討してみてください!
受験資格
学歴や年齢、国籍などによる大きな制限はありません。
また、3級を飛ばして2級からの受験も可能ですし、3級・2級の同時受験も可能です。
ただ一つ制限があるとすれば、「1級は2級合格者しか受験資格がない」ということです。
合格率
2015年 第35回
1級 | 6.6% |
---|---|
2級 | 39.6% |
3級 | 64.0% |
上記の回は、1級、3級に関しては比較的安定した合格率が出ましたが、2級はやや低めの合格率となりました。
※2級の合格率の平均は約50%
このように、福祉住環境コーディネーター1級、2級、3級を通して、難易度が急激に上がったり下がったりする傾向があります。
2級を例にとると、
- 32回37.9%
- 34回70.8%
と、近い回数であるにも関わらず、大きく合格率が変動していますよね。
なので住環境の資格試験は、多少その時の運にも左右されやすいです。
とはいえ、そういった環境的な変化に左右されずに合格できる力が、真の実力とも言えますので、受験者は準備をしっかり行うしかありません!
合格基準
2、3級は100点満点で70点以上が合格基準とされています。
1級は、マークシート式と記述式各100点満点で、それぞれ各70点以上とされています。
試験内容について
3級
3級は高齢者、障害者の生活と住宅に関する基礎知識などが出題されています。
出題範囲は、
- 福祉住環境整備の重要性、必要性
- 高齢者の健康と自立
- 障害者が生活の不自由を克服する道
- 住まいの整備のための基本技術
など、福祉の基本的知識が出題されています。
2級
2級に合格すると、住宅改修の理由書作成が認められるようになるので、難易度は上がります。
出題範囲は、
- 高齢者、障害者の心身の特性
- 障害のとらえ方
- 障害別の住環境整備について
- 福祉住環境整備の実践に必要な基礎知識
など、住宅改修に必要な専門知識が出題されています。
1級
1級はマークシート方式と記述式で試験問題が構成され、さらに難易度が高くなっています。
※マークシート方式、記述式 各100点
出題範囲は、
- 地域でささえる高齢者、障害者ケア
- 福祉コミュニティづくり
- ユニバーサルデザイン環境整備の手法
- 高齢者や障害者住宅、施設の種類と機能
など、専門制が高く、より実践的な深い内容が出題されています。
※2、3級は、マークシート方式のみです
取得した方の口コミ
【2級・3級の同時取得/通信講座】
私は、福祉住環境コーディネーター3級・2級の資格を同時に取得しました。
この資格取得に通ったスクールなどはありませんが、ユーキャンの通信講座を受講させてもらいました。
受講を決めたのは、この講座を受けるにあたって受講料の一部を負担してくれる補助金制度が受けれると知ったからでした。
受講料の一部を負担してくれて、なおかつ、この資格が取得出来たらいいなと思い、一生懸命テキストの内容理解と専門用語の暗記に励みました。
このコーディネーター資格を取得後、
実際に自分自身の自宅の住宅改修の為の、一部返金補助金制度の書類を作成しました。
そして、市役所に申請し、無事に補助金を受けることが出来ました。
この申請書を提出することが可能なのは、
- 実際に改修工事をした家族
- ケアマネージャー
- 福祉住環境コーディネーター2級の保持者
のいずれかである必要があります。
私の場合は、自宅の改修でしたので、家族として申請が可能でしたが、福祉住環境コーディネーターも保持していた為、習得した知識を使って申請書を作成することが出来ました。
もちろん仕事でも役に立っています。
自宅復帰を考えている高齢者の自宅へ出向き、作業療法士と共に、「どの部分を改造すれば利用者が自宅に戻って生活を行えるか?」を考えて、改修のプランをご家族に提案する仕事に携わっています。
今まで勉強してきたことをフルに活用出来ている気がして、やりがいも出ています。
【独学/埼玉県/男性】
私は、障害者に関わる仕事をしていますので、この資格が仕事の役に立つと思って勉強を始めました。
元から障害者についての知識はあったのですが、生活する住環境についての理解はなかったので新しい知識が増えることによって仕事の時のモチベーションも変わったように思います。
学習方法は独学です。
書店で販売されているユーキャンから出ている問題集を購入しました。
要点がまとまっているテキストを一冊と模擬問題集&過去問がまとめてある本を1冊です。
公式テキストは購入しませんでした。
必要かもしれないけれど、あまり見ないと思ったので・・・
取り組んだ期間は1か月です。
仕事をしていて平日は疲れてしまったから主に休日でした。
家にいると気が散るので図書館やファミレスにいって勉強していました。
この資格があると、住宅改修を公的機関に申請するときの意見書を作成することができますが、この資格だけで就職することは難しいと思います。
今持っている資格にプラスしてステップアップをするために取得するという意識でいるほうが良いかもしれませんね。