短期入所生活介護(ショートステイ)
短期入所系の介護サービスは、通所介護や通所リハビリテーションの様に日帰りではなく、
- 短くは一泊二日から
- 長くなれば一ヶ月以上
滞在することができるサービスです。
例えば、家庭で介護をしている方が骨折して入院してしまい、しばらく自宅では介護が出来ない…
という様な場合に利用されます。
また「介護者の介護疲れを少しでも解消させるために」、という目的でこのサービスを位置づける介護支援専門員も居ます。
このページを読む前に、通所系のおさらいは、
もご覧ください。
短期入所生活介護(ショートステイサービス)
短期入所生活介護(ショートステイサービス)は、その多くが、介護老人福祉施設、つまり特別養護老人ホームと併設されています。
併設、と言うのは、簡単に言えば、
- 同じ施設内にそのサービスを行うスペースがある
- 隣接する建物で行っている
- 同じ敷地内(制限はあります)の建物で行っている
という場合に「併設」と呼びます。
もちろん、単独でこのサービスを行っている施設もあります。
その併設されている老人福祉施設と、ほぼ同じ介護を受けることが出来ます。
なので、有料老人ホームなどへの施設入所を待っている状態で、在宅サービスを利用しても自宅で生活を続けていくことが困難な場合は、この短期入所生活介護を利用しながら入所順番を待つ場合もあります。
本来の目的を超え始めている現状
介護保険サービスは、多くの人が利用しながら介護状態になっても生活することが出来る様に創設されたものです。
ですから、この短期入所サービスも、一人の人が長期間滞在するのではなく、出来るだけ多くの人が短期間ごと入れ替わり立ち替わりで利用することが本来の目的と言えます。
ただしこれは建前で、実情は、3ヶ月継続で利用する場合も少なくありません。
特に地方にいくと「冬の寒い時期に高齢者が一人で自宅で暮らすには危険も多いから」と、冬は長期滞在の予約でいっぱいです。
春になって暖かくなってくると、次第に空きが出始めます。
施設側は、少しでもベッドの稼働率をよくしたい為、長期的に利用される方は正直言ってありがたいと言えます。
ただし、在宅生活を支援する居宅担当の介護支援専門員からすると、正直言って非常に迷惑とも言えるでしょう。
ただ、あくまで利用する人のニーズに即して、そのサービスを位置付けているはずですので、やはりその必要性があっての事だと言えます。
また、入所順番を待っているのにどこも空かずに、医療的なケアの必要性もあって、自宅での生活が本当に困難な家族にとっては、短期入所サービスで長期的に利用できることはありがたいことです。
注意点
ただ一つ気をつけなければならないのが、一年のうちの半分、つまり180日しかこのサービスを利用出来ないことです。
冬の寒さだとか介護者の不在だとかでどんなにその必要性があったとしても、180日を超えると介護保険サービスとしては利用できませんので、ご注意ください。
費用面
費用は、単独なのか併設されているのか、またユニット型個室なのか、などで違いはありますが、おおよそ一日利用するに、
- 介護度1の方が609〜707円
- 介護度2の方が679〜817円
- 介護度3の方が751〜890円
- 介護度4の方が821〜960円
- 介護度5の方が890〜1,029円
の幅で利用できます。
ただしこれは最低料金であって、例えば個別的にリハビリを行ってくれる施設は個別機能訓練加算として一日12円がプラスされたり、看護職員のうち、看護師を1名以上配置している場合には看護体制加算として一日4円がプラスされたりします。
これらの体制については利用する各施設にお問い合わせください。
短期入所療養介護サービス
短期入所療養介護サービスは、短期入所生活介護とほぼ同様なのですが、短期入所サービスよりもリハビリや医療的処置が必要な方が短期間滞在できるサービスです。
介護老人保健施設や、病院や診療所、または療養病床がある病院が提供する場合と、目的に伴い利用する施設が違ってきます。
リハビリを主に行いたい方は、病院や診療所などの短期入所療養介護を受けてもその目的は満たせません。
逆に、医療処置が必要な方が、介護老人保健施設の短期入所療養介護を受けても、出来る医療処置が限られているためにやはり目的は果たせません。
このサービスは、施設入所順番を自宅で待っている方が、医療的処置が必要になり、訪問看護や居宅療養管理指導では生活が出来なくなってしまった場合にとても有効なサービスです。
短期入所サービスのまとめ
高齢者の方が怪我をしてしまいリハビリが必要になった時、
または家での介護を行っており介護者に疲れが見えてきた時、
そのような時に活用できるのが短期入所サービスです。