体験入居とは?
現在、介護付有料老人ホームなどを中心とした高齢者介護施設では、本格的に入居する前に、テストとして短期間の宿泊(体験入居)が可能となっています。
この体験入居により、
- 見学だけではわからなかったこと
- 利用者・家族と施設とのミスマッチ
- 「知らなかった!」というトラブルを未然に防止
- 深いところでの施設比較
というようなことが可能となります。
大きなお金が動くことですので、絶対に勢いやエイヤッ!で入居を決めずに、体験込みの比較検討を欠かさないようにしましょう!
注意点は?
体験入居に関しての利用上の注意点をお話します。
利用条件
まず体験入居に関する利用条件ですが、
- 施設の利用を考えていること
- 概ね60歳以上の方(施設によってはこの限りではありません)
となります。
流れ
体験入居に関しての流れは、
- 施設への問い合わせ
- 施設の生活相談員や職員との相談
- 利用に関しての決定・申し込み
- 体験入居開始
となります。
期間
期間については一泊二日から五泊程度を実施している施設が多いです。
中には一ヶ月単位で実施している施設もありますので確認をしておきましょう。
利用料
利用料は一泊あたり1万円前後が多く、保証金、入居一時金などを払わなければいけない施設もあります。
持ち物
体験入居の際の持ち物についですが、施設への生活相談の際に詳細に確認しておきましょう。
大抵は、
- 健康保険証
- 服用している薬
- 衣類
- 生活必需品以外で自分が必要としているもの
などです。
事前にどういったものが持ち込み可能かなども確認しておくといいでしょう。
体験中にチェックしておきたいこと
体験入居をするわけですから、施設について深くまで調査しないと意味がありません。
まず体験入居をすることで実際のサービスがどんなものであるのか、見学したときとの違いを把握しましょう。
実際に入居している人や交流の仕方、雰囲気についてもチェックしておくといいでしょう。
- サービス内容
- ケアスタッフ
- 設備
- 食事
- 部屋
- 環境
などチェックポイントはとても多いですがスタッフへの質問として、施設で問題となったこと、もしくは不祥事といえるもの、それに対する対処法はどうだったのかを聞いてみるといいですよ。
ここで嫌な顔をしてお茶を濁すような回答しか得られない場合は施にが隠蔽体質にある場合があります。
いい点だけでなく悪い点も聞いてそれに真摯に対応、対処してくれる施設ならばまず入居しても間違いないでしょう。
施設の職員さんは楽しそうに働いていましたか?
介護施設を体験する時のチェックポイントとして「働いている職員さんたちの顔つき」というものがあります。
そこから、その施設の「ありのままの顔」が見えてくるからです。
挨拶や声掛けがありましたか?
「この施設に入居したい」
そんな思いを抱きながら、実際に介護施設の体験をした際に、施設の中で働いている職員さん達は、
- 「こんにちは」
- 「体験入居ありがとうございます」
などの元気な声をかけてくれましたか?
忙しそうに早足で横をすれ違い
- 「・・・どうも」
軽い会釈と小さな声での簡単な挨拶しかされなかった・・・
こんな調子では無かったですよね?
その方たちが実際に介護をする職員さんです
もしかするとその体験された施設にお部屋の空きがあれば、今後大切なご家族のお世話をお願いするかもしれない施設の職員さん達です。
体験に来られたご家族に対して挨拶もそこそこに忙しそうに走り回っている。
たまたまその時がとっても忙しい時間だったのかもしれませんが、入居を希望されているご家族やご本人からすれば、
- 「・・・ここで大丈夫かな?」
ってちょっと考えてしまいますよね。
施設の考え方や介護サービスの内容などは、体験の際の説明で理解はできますが、
- 実際に入居後にどのようなお世話をしてくれるのか
- お世話をしてくれる
- 職員さんたちはどのような人たちなのか
施設からの口頭での説明からは見えない生の部分が、実際に職員さん達が働いている様子から見えてくるのです。
職員さんは入居さんに対してどんな対応をしていましたか?
体験入居の際そこにいた職員さんの「入居者さん」への対応はどうでしたか?
- 「ちょっと待っててね〜」
- 「そこに座っててください!」
- 「お願いですから・・・」
こんな調子では無かったですよね?
でも介護保険制度が始まったばかりの頃って、
- 「ちょっと待って!」
- 「早くお風呂入りましょう」
こんな調子で入居者さんに対応している施設が結構あったんですね。
「介護サービス」なる言葉もようやく浸透されつつあり、介護職員の方のマナーなども重要視されているようですが
もし体験入居された際の実際に働かれている職員さんたちが、
- 「こっちに来てください」
- 「そこで待っててね」
こんな調子だったら、ちょっとそこの施設は考えものです。
「入居先を早く決めたい」と逸る気持ちはよくわかりますが、ご本人さんのためにももう一度、一考されてみたほうがいいかもしれませんよ。