老人保健施設と療養型医療施設の特徴

介護老人保健施設と介護療養型医療施設の役割

医療が深く関わっている介護保険法の施設サービスとして、

  1. 介護老人保健施設(老人保健施設)
  2. 介護療養型医療施設

の2つが挙げられます。

 

このページでは、その2つの介護施設を紹介していきます!

 

介護老人保健施設

 

(1)介護老人保健施設とは?

介護老人保健施設は、長期の入院で症状は安定して入院治療の必要はなくなったけど、自宅での生活は難しい人が入居する施設です。

 

リハビリや必要な医療を受けて在宅復帰することを目的としています。

 

介護老人保健施設を利用できる人

医学的管理のもどでの看護、介護、リハビリが必要な

  • 要介護1〜5

の人たちとなります。

 

費用について

費用は、介護度毎に設定されて、介護の手間のかかる介護度の重い人の方が高くなっています。
月額15万〜20万円程度となります。

 

低所得者への対応

介護保険負担限度額認定が適応されます。

 

入所期間について

介護保険法により入所期間は3ヶ月と定められています。

 

しかし、規定された期間でリハビリを終えて、在宅復帰できる人は少なく、多くの人が、3が月を超えて入所しています。

 

※施設によっては、規定どおり3ヶ月で退所させるところもあります

 

老人保健施設のサービス内容

在宅復帰を目指したリハビリと日常生活の介護が主なサービス内容となっています。

 

リハビリ

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師が中心となり、リハビリが行われます。

 

医療的な管理

医師の指示のもと、看護師により細やかな健康管理が行われます。

 

食事、入浴、排せつ

医学的な管理の中で、日常生活をおくる上で必要な介護が行われます。

 

アクティビティ

リハビリを意識したアクティビティ=活動、レクリエーションが行われます。

 

老人保健施設で働いている人
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士

リハビリ業務全般を行っています。

 

中でも言語聴覚士がいる施設はあまり多くはないので、言語聴覚士の力が必要な方は事前の確認が必須となります。

 

看護師

医師の指示に従い、健康管理と必要な医療的処置を行っています。

 

介護職員

日常生活において、必要な介護業務を行っています。

 

介護職員の役割は、

  • 日常生活の介護
  • 理学療法士と作業療法士の指示の元リハビリの援助

を行っています。

 

介護支援専門員

施設サービス計画の作成、利用者さんと家族の相談援助業務を行っています。

 

支援相談員

入所申し込みの受付、家族との連絡、相談援助業務を行っています。

 

医師

診察、検査、処置や薬の処方、リハビリの指示、看護師への指示などを行います。

 

利用者さんの状態が悪化した場合などは、協力病院への連携や情報提供をするのも医師の役目となっています。

 

薬剤師

薬剤の管理、利用者さと家族への薬についての説明や指導を行います。

 

栄養士

食事のメニューを作っています。

 

入所中に入院した場合の対応

身体状態が悪化し、入院してしまった場合は退所扱いとなります。
症状が安定し、再度利用する場合の対応は、利用される老人保健施設によって異なります。

 

多くの施設では、2週間から1ヶ月程度はベッド又は部屋を空けて待ってくれるようです。

 

(2)介護療養型医療施設とは?

療養型医療施設には、

  • 医療保険が適応される「医療療養型」
  • 介護保険が適応される「介護療養型」

の2種類がありますが、ここでは介護療養型についてお話しています。

 

介護療養型医療施設は、治療よりも長期の療養が必要な人に、医療的管理のもとで

  • 看護
  • 介護
  • リハビリ
  • 必要な医療

を行う施設です。

 

利用できる人

長期の療養を必要としている

  • 要介護1〜5

の人となります。

 

費用について

医療処置が多くあるため、少々高めです。
月額15万〜25万程度となります。

 

入所期間について

入所期間に規定はありません。

 

病状は比較的安定してる人が入所していますが、寝たきりの人が多く、身体状態としては良い状態ではありません。

 

なので、ここでターミナルをむかえる人も多くいます。

 

介護療養型医療施設のサービス内容

治療よりは、療養を目的としていますが、必要な医療処置も行われています。

 

医療的な管理

健康管理や必要な医療サービスが、医師と看護師によって行われています

 

リハビリ

生活をしてゆくため、身体機能の回復を目指したリハビリが行われています。

 

食事、入浴、排せつ介護

利用者さんの身体状態に合わせた介護が行われています。

 

寝たきりや医療的処置を必要としている人が多く、看護師中心となり、介護職員と共に介護しています。

 

療養型医療施設で働いている人

療養を目的としていますが、医療を必要としている利用者さんが多く、看護師と医師が中心となってサービスが行われています。

 

医師

診察、治療、薬の処方、療養上の指示などを行っています。

 

看護師

医師の指示のもと、医療処置を行ったり、介護職員では難しい介護行為(入浴、食事介助)を行っています。

 

薬剤師

薬剤の管理、薬剤の説明などを業務としています。

 

理学療法士、作業療法士

リハビリ業務を行っています。

 

介護職員

食事、入浴、排せつ介護を看護師と協力して行っています。

 

介護支援専門員

家族との連絡調整、利用者さんと家族の相談援助を行っています。

 

栄養士

食事のメニューを作っています。

 

介護療養型医療施設廃止について

本来は平成24年(2012年)までに「介護療養型医療施設は廃止する」ということが国会で決まっていたのですが、そのお話は延期となっています。

 

理由としては、

  • 医療と介護を必要としている高齢者が多い
  • 療養型医療施設以外で上記の人達の受け皿がない

ということだそうです。

 

厚生労働省の発表では、3年か4年後に実態調査をして、廃止期間の延長を見直すとのことです。