公共施設と民間施設の違い
日本が超高齢化社会に突入するこれからの数十年間は、
- 家族に介護が必要だと考えている方
- 本人がどこかの介護施設に入りたいと考えている方
がどんどんと増えていきますので、日本人にとって「介護」というものが、より身近な関心・問題になっていきます。
ですが、介護の知識や情報が社会の一般常識として浸透しているかというと、まだまだそうではないと思います。
特に介護施設に関しては、「いざ介護施設に入所を」と言っても、
- 介護施設にはどのような種類があるのか?
- 自分が入所できる施設はどれなのか?
わからない方も多いと思います。
当サイトでは、介護施設の種類を詳細に解説していますので、一緒に確認していきましょう!
公共と民間
介護施設は大きく2種類に分けられます。
それは介護保険の被保険者が入居できる介護保険施設を始めとする「公共施設」と、営利企業が運営している「民間施設」です。
一般的には公共施設の方が安い費用で入居できます。
公共施設
公共施設の中で最も人気なのが「特別養護老人ホーム」です。
ですが、どなたも同じように「安いところに入りたい」と考えますので、入居するまでに、
- 数年待ち
- 数百人待ち
という状況になってしまっています。
民間施設
民間の代表は「介護付き有料老人ホーム」です。
手厚い介護が受けられますが入居一時金に数百万円〜数千万円の費用がかかりますので、入るのには高い経済的なハードルがあります。
また、月額費用も公共型の倍くらいの見積もりが必要になってきます。
ですが、最近は安い費用で入居できる民間タイプも増えてきました。
その代表的な存在がサービス付高齢者向け住宅(サ高住)です。
- 一時金なし
- 月額費用は特養なみ
というように経済面で、かなり入居しやすくなっています。
「サ高住」自体は2011年頃から始まった形態ですので、まだ物件数が少ないですが、急激に増加していることは間違いありませんので検討してみる価値はあると思います。
在宅介護について
これまでは「介護施設に入居」する為の話を紹介してきましたが、自宅にいながら介護サービスを受けることもできます。
それが、
- 訪問サービス
- 通所サービス
です。
訪問サービスは、ご自宅にホームヘルパーの方が訪問して食事や入浴などの介助を行ってくれるものです。
通所サービスは、高齢者の方がデイサービスやデイケアなどの施設に出向いて介護を受けることを言います。
確かに家族の方や、高齢者ご本人にとってもい「施設に入居」する方が楽なケースが多いですが、金銭的な問題がありますので、
「どの介護施設(公共か民間か)にするか?」
ということと、
「入所と在宅のどちらの介護サービスを受けるか?」
という両方の視点で検討が必要になってくるケースもあります。
各サービスに資料請求などして、慎重に検討していきましょう。
入居出来ればもう安心?いえいえ、そうではないですよ
「もう限界なんです!」
「今すぐにでも、施設に入れたいんです!」
在宅での介護に限界を感じ、藁(わら)にもすがる思いで、入居できる施設を探されている家族の方にとって、
- 「良い介護をしてほしい」
- 「安心して暮らしてほしい」
という気持ちはどうしても後回しになってしまうんですね。
何故なら親が入居出来る場所を探すことで精一杯だからなんですね。
断られてしまう理由
- 「認知症の方はちょっと・・・」
- 「当施設は、車いすの方の入居は難しいです」
- 「毎月の利用料金はこれくらいになります」
介護施設に入居するには、施設を探しながらも色々なことを同時に考えていかなくてはならないんですよね。
入居可能な施設を探すって本当に大変です。
ですから、
「やっと、入居できる施設が見つかったら、これで一安心」
と、肩の荷を下ろしたくなるお気持ちはよくわかります。
ですが・・・・
入居後一か月は、気を抜いてはいけません
- 入居もできたし、もう安心
- これで、今までの苦労から解放される
こう思いたい、ご家族の思いは、よくわかります。
今まで、色々なご苦労をされながら在宅で介護を続けられてきたわけですからね。
でも、入居をされたご本人にとって入居後から全く新しい生活が始まります。
生活環境も変わり、今までいつも身近にいた家族とも離れ、初めて会う人たちに囲まれて自分の身の回りの世話をお願いしなければならないんですね。
家族の方々は今までのプレッシャーから解放され、ほっと一息といったところかもしれませんが、入居されたご本人は、これからもっと違った意味でのプレッシャーやストレスを感じながら、日々生活していくことになるんですね。
過度のストレスから体調を崩される事もあるかもしれません。
誰に何を頼んでいいのか悩まれるかもしれません。
生活環境が、様変わりしたことで戸惑われることも多いかもしれません。
そんな時、ご本人が一番欲しいもの。
それは、ご家族の面会です。
実際、入居後一か月くらいは、環境の変化やストレスから体調を崩されることも多く見受けられます。
ご本人が、精神的にも、身体的にも落ち着かれるようになるまでの間は定期的に面会を行って頂き、ご本人へのサポートを心がけてください。
支払いも大変です
また、施設が受け入れてくれても入居後は、毎月の支払いがあります。
実際に支払いを始めてから経済的な厳しさを実感します。
親の介護は本当にシビアです。
次は費用について解説していきます。
介護施設を探している家族が抱えている費用の問題
「今まで家で介護をしてきたけど、そろそろ施設への入居を考えないと・・・」
最近は新聞やテレビなどでも話題になっていてご存知の方も多いと思いますが、介護施設への入居を希望されている方に対して、現状では介護施設の数が全く足りないのです。
- 申し込んでみてもいつ入居できるかわからない
- 定員100人の施設で入居の順番を待っている方の数が数千人
こんな事が当たり前になっているのが現状です。
介護施設へ入居したいと思っていても、
「入れる施設がどこにあるのかわからない」
入居を希望されている家族の方が抱えている一番の問題はここではないでしょうか。
やっと、空き部屋のある施設が見つかったけど・・・費用の問題が
「ようやく、空き部屋のある施設が見つかった。」
しかしこれで全て解決ではないのです。
無事、入居出来たとしても入居後の毎月の料金の負担という問題もあるのです。
「建物は綺麗だし、看護婦さんも毎日いるみたいだから安心して世話を頼めそうだけど、毎月の料金が・・・」
入居を急ぐ家族の方からすれば、まず「入れてくれる施設はどこにあるの?」で精一杯だと思います。
家族の方々の力だけで、
- 施設の空き状況
- 利用料金
までの情報を集めることは非常に困難であると思います。
利用料金トラブルを回避するには?
親が介護施設に入居してから、初めての請求書が届いたので中身を確認してみたら、
- この、送迎代金ってなんだろう?
- お洗濯を頼んだら、その都度、料金がかかるんだっけ?
そんな疑問が出てくるかもしれません。
念願かなって、ようやく施設に入居出来たけど、入居後には「毎月の施設利用料の支払い」という義務が発生してきます。
焦る気持ちを抑えて費用について確認しましょう
「とにかく、施設に入れてほしい」
入居を急がれている家族の方、ご本人様はこの思いでいっぱいなのはわかります。
ですが入居後のトラブルを防ぐためにも、入居後の利用料金については、必ず一つ一つ確認を行ってください。
できれば一か月、どれくらいの支払いが発生するのか?
見積もり書を用意してもらってください。
入居後のご本人様の身の回りのお世話を頼んだ際にはどのくらいの料金が発生するのか?
- 洗濯を頼んだ時は?
- 部屋の掃除を頼んだ時は?
- 病院への送り迎えを頼んだ時には?
今まではご家族の方がお世話していたことを入居後は施設の職員さんにお願いすることになります。
入居後にはご本人さんにどれくらいのお手伝いが必要になるのか?
その際に身の回りのお世話は全て、有償でのサービスなのか?
無料でどこまでのサービスを行ってくれるのか?
とても大切なことですからここは丁寧に確認してくださいね。
どのくらい、手伝ってもらえればいいのかシュミレーション
入居後のご本人様の日々の生活がどのようになるのか?
施設の職員さんとシュミレーションを行いましょう。
シュミレーションすると、入居後に、
- 施設の職員さんにどのくらいお手伝いを頼めばいいのか?
- お手伝いの内容が確認できたら、何かを頼む際には「どのくらいの料金が発生するのか?」
というようなことが明確になってきます。
入居したい気持ちでいっぱいで急いで入居してみたものの、入居後利用料金請求にまつわる料金トラブルはとても多いです。
契約の際や見学の際には、後のトラブルを未然に防ぐためにも、
毎日、気持ちよくご本人さんに生活してもらうためにも、
入居後にお支払することになる毎月の料金については1つ1つ細かくご確認をしてくださいね。