施設見学する時のチェックポイント
- 身内の方に介護が必要となった時
- もしくは自分に介護が必要となる前
に、施設の見学をしたいと考えていらっしゃる方も多いと思います。
今回は「介護施設の見学」と「事前のチェックポイント」について説明していきます。
まずは見学をする前の事前の準備について
(1)一番何を重視しているか?求めているか?
まずは自分がどんなサービスを提供して欲しいのか、どういった施設に入居したいのかを決めることです。
施設といっても行政の法改正などにより現在介護サービスは非常に細かく分けられ、どんな施設にどのようなサービスがあるのかはわかりにくい現状があります。
全てをお任せするのではなく「介護施設に何を求めているのか?」
この点をハッキリさせておかないと、見学そのものが表面的になってしまいますし、後々のトラブルや不満にもつながってしまいます。
(2)情報収集
インターネットを参考にしたり、市町村の窓口や近隣の福祉施設と呼ばれるものに対してパンフレットを請求するなどしてサービスの現状を把握しましょう。
この時のパンフレット請求であったり電話での施設側の対応もチェックしておきましょう。
対応が悪い、連絡が取れないなどという場合は施設の利用を避けたほうがいいかもしれません。
介護施設のチェックポイント
チェックポイントとして抑えておかなければならない点は、
- 周囲の環境、地域との関係は良好であるか
- ケアスタッフがいきいきと働いているかどうか
- 設備は整っているのかどうか
- 提供されるサービスはどういったものか
- 施設そのものが清潔であるか
- 自分が住む部屋に充分な広さがあるか
などです。
これらは自分が住む際のチェックポイントとなります。
他にも事後のことを考慮して注意しておくといい点は、
- ターミナルケアがなされるか
- 退去する場合、支援があるのか
などといった入所後についての詳細です。
施設で一番重要なのは入所後のケアであると言えます。
そのケアだけでなく、退去しなければならなくなった際、利用者を厄介者のように扱う施設にはお世話にならないようにしましょう。
公的施設は選んでいられない
今回のチェックポイントは主に民間の有料老人ホームに関するチェックポイントになります。
老人保健施設といった公共の介護保険適用事業の施設については利用者の判断による入所が難しく、選択肢が少ないです。
なので、こちらがチェックポイントを設けても、それが役に立たないことが多いのが現状だからです。
特に特別養護老人ホームなんかは入れたらラッキーとも言えるような待ち状態が続いています。
ただし今回あげるチェックポイントがまったく利用できないということではありません。
うまく活用して自分が納得いけるサービスを最適な状態で受けられるようにしましょう。
介護施設の見学は一回すれば大丈夫?
「今なら、ご入居可能ですよ」
見学を申し込んだ施設で、こんな言葉をかけてもらったら嬉しいですよね。
- やっと、入れてもらえる施設が見つかった・・・
- これで、一安心できる
入居できる施設を必死に探されていたご家族からすれば、今すぐにでも契約をして、明日からでも入居させてもらいたいですよね。
ですが、ちょっと待ってください。
1泊2泊する施設ならともかく、これから、年単位でお世話になる施設であるならば、
- お世話になる職員さんはどんな人達だろう?
- 本人が困った時には、すぐに対応してくれるのかな?
- 具合が悪くなったときには病院に連れていってはくれるのかな?
などの確認が事前に必要になってきます。
今までお世話をしていたご家族に変わって、ご本人さんの毎日のお世話をしてもらうわけですから、見学というものが重要になってくるのです。
もし、
- こんな時はどのように世話してくれるんだろう?
- 家族への連絡はしてくれるのかな?
など気になることがあれば電話で確認するよりも、出来ることなら、施設を訪ねて介護されている職員さんや管理者の方へ対応方法などの確認を行った方が良いと思います。
その見学も一度ではなく、できれば複数回行いましょう。
ご本人さんにとっては「施設」ではなく「家」になります
施設と契約するということは、ご家族にとっては
- これから家族の世話を頼むことになる、施設との契約
かもしれませんが、ご本人にとっては、
- これから、自分が生活する場所を決めること
なんですね。
言い換えれば、アパートやマンションの契約のようなものですね。
賃貸を借りようと思ったら、
- 近隣の生活環境
- 部屋の使い勝手
- お隣さんはどんな人が住んでいるか
など、1度ではなく何度も何度も足を運んで、ようやく契約の運びとなりませんか?
ご本人にとっては施設と契約するということは、自分がこれから生活する「家」を借りる契約なんです。
とても重要なことですから、1度の見学ですべてを決めようなどとは思ってあげないでください。
ご本人にとって、
- この施設でお世話になっても大丈夫かな?
- ここなら、安心して生活できるかな?
こういったことを、出来るだけ満たしている施設を探してください。
その為には、念入りな見学をすることが欠かせません。
飛び込みで見学申し込んでみると・・・
介護施設の利用を考えている家族にとって、
- 忙しい平日に時間を作って
- 週末の休日
など、ちょっとしたすきま時間を使って、施設の見学をされている方が多いのではないでしょうか。
そんな時、たまたま、自宅の近くに介護施設が見つかったとします。
でも、見学できる時間は限られているので、
「今すぐにでも見学をしたい」
と思った時、、、
そんな、ご家族やご本人の思いに介護施設がどこまで理解し、対応してくれるでしょうか?
こんなことからも施設の「カラー」が見えてくるものです。
職員の対応からその施設の「理念が見えてきます」
ご家族:今日これから、そちら様の施設を見学させていただきたいのですが・・・
施設職員:大丈夫ですよ。では、夕方の16時まででしたらご案内できますが、お時間は如何でしょうか?
このような対応を取れる施設は、日頃から急な見学者さんにも対応できる施設であり、急ぎで見学をしたい家族の事情もある程度まで察している施設であると思います。
しかし、下記のような対応を行う施設も今だあるようです。
ご家族:これから、そちらの施設さんの見学をさせてもらいたいのですが
施設職員A:ご見学の申し込みは、資料の準備の関係などから3日前までにお願いをしております。
施設職員B:大変申し訳ございませんが、本日責任者がお休みでして、また後日お電話いただけますか?
このような対応しかできないということは、急な申込みに対しての対応を検討していない。
もしくは、対応が出来ていない施設であると考えられます。
運営方針・考え方は全体に広がっています
なぜ施設ごとに「対応の良いところ・悪いところ」、くっきりと分かれてしまうのでしょうか?
それは、
- 介護施設の経営者の運営方針
- 現場で一番力のある人の考え方
が施設全体に大きく影響するからです。
例えば、経営者が、
入居者もしくは、そこで働いている職員のどちらかでも大切にしないような人であれば、それは間違いなくサービスに影響が出ます。
現場は、
- 必要以上のことをしない
- 職員同士、入居者に対するいじめ
- 隠蔽体質
など、あらゆるネガティブなオーラが漂うことになってしまいます。
そのような施設は、あらゆる仕組みが整っていません。
誰も意見を統一しようなんて思わないですから、常に行き当たりばったりのサービスがなされます。
急な見学に対応できないのも、その一つの表れとなります。
表面上は整っているけど、内情はボロボロの介護施設も多いですので、そういった点も見抜けるように見学を複数回行うようにしましょう!