オムツ交換の方法

オムツ交換の手順と注意事項

介護職員には欠かせないスキルの一つであるオムツ交換について解説していきますね。

 

まずオムツの素材の種類には、主に、

の2種類があります。

 

オムツ交換のポイント

 

布オムツについて

最近の方は、布製のオムツにはあまり馴染みがないですよね。

 

新生児用は紙おむつが完全に主流ですし、特にこだわりのあるご家庭以外では布オムツはまったくと言ってもいいほど使われてない状況だと思います。

 

そんな布オムツを使うメリットとしては、選択して繰り返し利用できることでしょうか。
ですが、排泄物を扱うわけですから、洗うのも一苦労ですね。

 

特に問題がなければ紙おむつの方が、利用者や周囲の人間にとって楽であることは間違いありません。

 

布オムツの装着方法

布オムツは、

  • オムツカバー
  • 横オムツ
  • 縦オムツ

の3点セットで使用します。

 

布オムツの装着方法は、

  1. 横モレしないように横オムツを腰回りに敷き、
  2. その上に臀部から陰部にかけて縦オムツをあてて、
  3. 尿や便がもれないようにオムツカバーを装着

するような手順で行います。

 

紙オムツ

新生児の紙おむつメーカーと言えば、

  • ムーニー
  • パンパース
  • グーン
  • メリーズ

などが有名ですよね。

 

介護用となると、

  • サルバ
  • アテント
  • ライフリー
  • リリーフ

など有名製紙メーカーがメジャーになってきます。

 

使用用途に合わせて、たくさんの種類が販売されているので、一つずつ試して利用者さまに合うものを見つけていくと良いと思います!

 

オムツを使用する利用者さんへ配慮すべき

成人の方でオムツを履いたことがある方は少ないと思うので、わからないと思いますが、実はオムツを着用した生活はどんな人にとっても決して気持ちのよいものではありません

 

身体状態が悪くて、仕方なく使用している人がほとんどなのです。

 

これを言うと、「赤ちゃんは気持ちよさそうに履いてるから、不快ではないと思った」と言われる方が大半なんですよ。
ですが大人にとっては、オムツは肉体的にも精神的にも辛いことなのですね。

 

そんな利用者さんの辛い気持ちを理解し、介助者が配慮するべきことは、

  • プライバシーの保護
  • 尊厳を重視し、羞恥心への配慮する
  • 自尊心を傷つけない
  • 尿意、便意のある利用者さんは、使用の中止を検討する

などです。

 

改めて、利用者さんが気持ちよく生活できるように援助することが、私たち介助者の仕事なのです。

 

介助、交換の手順

ここでは、寝たきりの全介助が必要な利用者さんの介助手順を紹介しています。

 

準備する物
  • 紙オムツ
  • パット
  • 蒸しタオル
  • 乾いたタオル
  • シャワーボトル
  • 新聞紙
  • 汚物処理容器
  • ビニール袋
  • バスタオル

 

介助する前に

利用者さんによっては、尿意、便意がある人とない人がいます。
自尊心を傷つけないように、気をつけて声をかけるようにしましょう。

 

気をつける点としては、

  • 利用者さんにこれからオムツ交換をすることを伝える
  • 排尿、排便の有無をたずねる
  • ベッド周囲のカーテンを閉める、個室ならばドアを閉め、プライバシーを確保する
  • シャワーボトルに人肌のお湯を用意する
  • 室温の調節をする

などが挙げられます。

 

清潔保持、洗浄

オムツを外すとき、肌の露出が少なくなるようにバスタオルで保護してから行いましょう。

 

外す時の手順としては、

  • 利用者さんの身体を仰臥位(ぎょうがい)にする
  • 紙オムツのテープを外す
  • パットもしくはオムツ内を確認し、排便があれば取り除く
  • シャワーボトルを利用し、陰部を前の方から洗浄する
  • 利用者さんを側臥位(そくがい)にし臀部を洗浄する

※仰臥位:仰向けになり、横になっている状態
※側臥位:身体のどちらかを下にして、横になっている状態

 

オムツ、パット交換

臀部、陰部が湿っていると、皮膚トラブルの原因につながります。
また、パットがはみ出していると、尿や便がもれてしまいますので、細心の注意を払いならが行いましょう。

 

【注意点】

  • 蒸しタオルで臀部、陰部をやさしく拭く
  • 乾いたタオルで再度ふき乾燥させる
  • 汚れたオムツまたは、パットをきれいなものに交換する、パットがオムツよりはみ出さないように注意する

 

交換が終わったら
  • 尿の色、量、便の色、形態、量を確認し記録する
  • 便の付いているパットまたはオムツは、新聞紙に包みビニール袋に入れ、汚物処理容器へ
  • 交換後の利用者さんの体調を確認する
  • 室内を換気する

 

介助時の注意事項

皮膚の観察

特に仙骨部(せんこつぶ)、臀部、かかとに赤みや傷はないか、観察しましょう。
※仙骨部:肛門の上にある骨から腰のあたりまでのこと

 

赤みは、皮膚トラブルのサインだからです。
見つけたら早期に対処する必要があります。

 

オムツやパットはシワがないようにする

この時の気持ちはシーツ交換の時と同じですね。
介護士の基本の心構えとも言えます。

 

利用者さんの身体に合わせたものを選択し、正しく装置します。

 

シーツにもシワがないようにする

上記でいった介護の仕事の基本のキです。

 

シワは、褥瘡(じょくそう)の原因になります。
※褥瘡:床ずれのこと

 

便や尿に異常があった場合、医師や看護師に直ぐに報告する

排せつ物は、健康状態を知る目安の1つとなります。
ケアマネにも直ぐ連絡しましょう。医師や看護師と速やかに連絡をとってくれます。

 

以上が、おむつ交換の手順と注意点でした!