ガイドヘルパー講座の視覚障害と全身性障害について

視覚障害と全身性障害ガイドヘルパー講座の同時受講

私が通った資格スクール(近畿介護学園)では、

  • 視覚障害ガイドヘルパー
  • 全身性障害ガイドヘルパー

の2つの講座を同時に受講することができました。

 

なぜなら、全身性と視覚の講座は、内容が重複する箇所があるからです。

 

同時受講のメリット

通常だったら1講座2ヵ月の受講期間が必要になります。

 

ですが、同時受講すれば重複する講義項目を一度の受講で済ませられるので、2講座の期間合わせて2ヵ月で修了することが出来るのです。

 

まずは2講座で重複する内容から始まり、そこが終わると専門分野の講義項目が始まりました。
先に「視覚障害ガイドヘルパー」の講義から行われました。

 

視覚障害講座の講師は障害を持っている方でした

講師は実際に視覚・視野に障害を持っている方だったので、講義中には実体験に基づいた心理を深く教えて下さいました。

 

講師は視覚障害者でした

 

その講義は「障害」を学ぶにあたって、心の奥にある小さな偏見を全て無くしてくれる素晴らしい講義でした。

 

講師の言葉のどれもが実際の体験ばかりで、ガイドヘルパーの講義を通して本当に良い経験をさせて貰いました。

 

目の前に見えている物が、こんなにも「見える」と興味を持って感じたのも初めてでした。

 

講師は先天性の視覚障害を持っている方だったので、「生まれてから見えないことが当たり前」と言っていました。

 

だから、「大変だろう」とか「不便だろう」とか他人に言われても、「元々見える世界が解らず、頭に思い浮かぶことも無いので苦労と思ったことは無い」とも話していました。

 

それよりも見えていて途中から見えなくなる方が、大きな不安、不満を感じ苦労されていると思います」と。

 

教えて下った言葉がとても素晴らしく、良い講師に教わっているなぁ強く感じながらの受講でした。

 

実際に学んだ重要なこと

ガイドヘルパーを受講する前は、外出先で障害の方を見かけても「何も知らない私が声をかけた方が迷惑だろう」と勝手な理由作りをして、声をかけられなかった自分が恥ずかしい気持ちになりました。

 

視覚障害についての移動介助を専門的に学ぶことで、視覚障害について学び、より利用者に寄り添える介護を再認識しました。

 

視覚障害ガイドヘルパーの外出実習

視覚障害ガイドヘルパーの実習は、生徒同士がペアになって行われました。

  • 片方がガイドヘルパー
  • 片方がアイマスクを付けて目を隠して外出する

このようにしてガイドヘルパーの実践と利用者の心理を体感する実習が行われます。

 

もちろんスクールによって外出先は違うと思いますが、私が通った近畿介護学園の外出実習の実施先は、なんと「空港」でした。

 

実習先は空港

 

まずは私が目を隠しました

実習では、まずは私が目を隠して介助を受けました。

 

でしが、数ヶ月間、同じ講座を受けているクラスメイトに介助されているとは言え、

  • 怖い
  • 本当に大丈夫なの?

というような不安を表す言葉を自然にこぼしてしまいました。

 

面識のあるクラスメイトだったので、お互いに介助の声かけはしやすかったのですが、上手く伝えることが難しく、両方ともスムーズな動きが出来ませんでした。

 

また、変な表現ですが、アイマスクを付けていることで、周囲の目もいつも以上に気にしてしまいました。

 

実際のバリアフリー

バリアフリーの駅や空港と頭ではわかっていても、ほんの少しの段差も身体が敏感に感じてしまいます。

 

目からの情報が無い分、

  • 手や足の感覚や感触
  • 耳に入る声や音や情報

に対して過剰に反応してしまいました。

 

私は実習で一時的のことだけれど、これが視覚障害の方々が日々感じていることなら、視覚に頼れないというのが本当に疲れることなのだと心から理解することができました。

 

とはいえ、これでも実習なので、周りには同じ実習のクラスメイトと講師が同行しているの安心なことはわかっていましたが、それでも感じた大きな不安でした。

 

役割交代

空港からスクールの教室へ戻る際は、ガイドヘルパー役を交代しました。
今後は、私が介助を行わなければならないので、また違った意味で緊張が続きました。

 

実習では、白枝と言う路面を確認しながら使用する白い杖を使いながら歩行していましたが、周囲の方々が道を譲ってくれる善意が、とても有難く感じました。

 

外出実習では、初めて感じることばかりで、ガイドヘルパー講座を受講したからこそ得られた大切な経験だと思いました。

 

介助にあたって

移動介助する際に、相手に対してとっさに言葉で伝えることは意外と難しかったです。

 

だからと言って、自分が感じた不安を相手にうやむやに感じさせてしまうと、相手に余計な不安を伝えてしまいます。

 

それでは「ガイドヘルパーとして意味が無いのだ」ということが身体で理解できた外出実習でした。

 

今回は、私と面識のあるクラスメイトでお互い生徒という甘さがあったので、まだ介助しやすかったですが、利用者とガイドヘルパーと言う関係になると甘えは通用しません。

 

本当にスムーズにコミュニケーションが取れるのか?
今後の課題も出来て、とても良い体験ができた視覚障害ガイドヘルパーの実習でした。

 

 

全身性障害ガイドヘルパー講座で学んだこと

視覚障害ガイドヘルパーの講座の後は、全身性障害ガイドヘルパー講座が引き続き行われました。

 

講座の内容は、

  • 福祉の制度とサービス
  • 障害、疾病に対する理解

などの基礎的な知識から学び始めました。

 

続いて、
障害による外出時の介助基礎知識として、

  • 特殊車椅子の構造や機能、使用方法
  • 外出時に伴う怪我についての心がけと対処
  • 電車の乗降

など、行動介助の基礎の全てを学習しました。

 

車椅子の機能について学ぶ

 

実習では、

  • 福祉車両を使い車椅子の乗降
  • 細やかな移動介助技術

などを実践として学びました。

 

ホームヘルパーの資格は既に持っていましたが、日常生活支援の生活介助とは全く内容が異なり、勉強になりました。

 

これまで学んできた移動介助との違い

車椅子の移動に関しては、これまでは室内移動のみで、さらにエレベーターを利用したことしかありませんでした。
ですが、実習では、階段で車椅子を持ち上げて移動することなどを経験できました。

 

室内から外に出た時の移動介助の危険性は、室内とはまた違った対応が求められます。
そういった違いをガイドヘルパー講座では学べます。

 

ガイドヘルパーの必要性

老若男女、誰でも障害をもつ可能性があるのに、自分が外出が出来なくなることを考える人は、ほとんどいません。
また、移動介助の方法を知り、実践できる人は、さらに少数になってしまいます。

 

それだけ社会としての意識が、まだまだ希薄だと感じます。

 

全身性障害を持つ方の社会参加の支援として、ガイドヘルパーと言う資格が存在するのだということを、講座を学んでいくにつれ理解することが出来ました。

 

私は資格取得の為に受講した講座でしたが、ガイドヘルパー講座は介護職以外の職業の方も多く参加していました。
このことはガイドヘルパーの知識とスキルの必要性が社会に広がっているということなのかもしれません。

 

日本ではインフラも人々の意識も、まだまだ障害者に対して未熟だと思いますので、少しずつ改善されていけば良いなと思います!

 

スクールについて

全身性障害ガイドヘルパー講座を開催しているスクールは数が少ないですが、私が受講した近畿介護学園は、この講座を頻繁に実施されているようです。

 

また、お申込み後、講座スケジュールに合えばすぐに受講できる環境も良かったです。

 

土日のガイドヘルパー講座以外の平日は、ヘルパー2級養成講座(介護職員初任者研修)も実施されていて、ヘルパー2級からガイドヘルパーまでをトータルで修了している方も多くいらっしゃるようでした。

 

人材サービスもやっているようなので就職相談も積極的に行っているようでした。

 

次は「知的障害ガイドヘルパーの概要と講義内容」です。

 

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