国が推奨する介護のキャリア
給与が安い、仕事がキツイなど、あま良いイメージのない介護職ですが、そう言われてしまう原因の一つに新規参入(簡単に介護職に就ける)が非常に多いことが挙げられます。
新たに介護に従事する人が増えるのは望ましいことですが、その中には仕方なく介護を始める人や、そもそもやる気のない人なども含まれます。
そうした人が多くなれば、離職率も上昇し、初心者ばかりなので待遇も低いままですし、利用者さんからの評価も上がりません。
ですが、介護業界だって頑張れば報われる仕組みは整っています。
介護業界でもキャリアと経験を積んでいけば、他業種と遜色ない待遇(給料)を得られるのです。
介護職は自分の努力で待遇改善が可能
介護業界自体が歴史の浅い業界です。
ですから、ベテランと言われる人たちの数もあまり多くありません。
そんな状態ですから、他の業界で社会経験を積まれた人が介護の経験も積み、資格を取得していけば比較的容易に上の立場に就くことができます。
そのため、国では標準的な介護職のキャリアアップを提唱しています。
まず
というものです。
(厚生労働省の資料より)
国が提唱するコースには、さらに認定介護福祉士というものもあります。
現状では介護福祉士を目指してキャリアアップを図るというのが、介護職としての一般的なルートになっています。
介護福祉士を取得してからが本当の勉強
介護福祉士は受験のために実務経験3年以上が必要であったり、別ルートとして2年制の専門学校を卒業する方法がありますが、これらの条件からわかるように、介護福祉士を取得して初めて一人前だと認められる傾向があります。
介護福祉士は介護職としては唯一の国家資格ですから、この資格を取って初めて国も認める介護員だということが出来るのです。
看護師などは資格を取らないと看護師として従事できないように、資格を取って初めてスタートラインに立てるのです。
介護職も同じように、資格はあくまでスタートラインに立つためのものであって、そこからが本当の勉強であると心得て、スキルの向上に努めてほしいものです。
介護のスペシャリストを目指す
ここまで介護のキャリアを資格を通して解説してきましたが、それでは上記のキャリアを辿れば介護のスペシャリストになれるのでしょうか?
介護のスペシャリストとは、介護のことはもちろん、自ら広い視野で福祉を捉えることができ、さらには外部の専門家の力を借りることも知っている介護員のことです。
ケアマネやソーシャルワーカーはもとより、福祉用具や障害者支援に関しても精通している必要があります。
なぜなら介護を必要としているのは高齢者だけではないからです。
真に利用者様のためになる介護を実現するためには、利用者様の生活の質を向上させることができることが非常に重要なのです。
ですから、資格を持っているどうこうだけでなく、
- 知力
- 胆力
- コミュニケーション力
など、総合的な人間力・仕事力のようなものが必要になってきます。
それが揃ってこそ介護のスペシャリスト人材と周囲から評価されるようになるでしょう!
自らもマネジメントができる
より良い介護を目指すなら、自分自身が利用者様のことを一番よく知るように努めて、ケアプランを考えることが大切です。
実際には担当のケアマネさんなどと相談しながらケアプランを練り上げていくのですが、その時に自らもケアプランの策定に参加することで、利用者様の状態や希望などを加味してケアプランを作ることが出来るのです。
また、介護以外の面での支援も、利用者様の生活を改善する手助けとなります。
福祉に関する制度や補助金など、そういった制度が存在していることを知っているだけでも、提案の幅が広がります。
こうした広い視野をもってケアプランを作り上げていくことで、利用者様の生活の質が向上し、結果的により現実に即した在宅復帰や自立支援に繋げることも可能となるのです。
目指すべき資格とは?
介護福祉士を取得した時点で、実務経験は3年が確保できています。
そこからさらに2年の経験を積むことで、ケアマネジャーの私見に挑戦できます。
まずはここを目指しましょう。
また、大卒の方は実務経験がなくても社会福祉士、精神保健福祉士の養成校に入学できるため、やや大変ですが先にこちらを目指すことも可能です。
いずれにしろ、介護福祉士を取得した後には、さらに広い視野で福祉を捉えることができるようになることが必要です。
こういったより上位の資格の取得を目指していくのが、スペシャリストを目指す上では必須となります。広い視野を得るにつれて、自分で目指すべき道も見えてくるというものです。
繰り返しになりますが、資格だけ持っていてもスペシャリストとしては不十分です。
日々の仕事で自らを成長させ続けることで、いつか辿り着けるものだと思います!