介護業界に転職してきて上手くいく人いかない人
介護の資格を何も持っていない人が「介護の世界に突然転職する」というのはよくある話です。
なぜなら、介護業界は働き場所が多いから。
つまり求人のニーズがあるからです。
※離職や転職率も高いという特徴もありますから、逆説的に常に求人が出ている様な状態だとも言えます
このページでは、私が出会った「異業種から介護業界に入ってきた人」について紹介していきたいと思います!
製造業
製造業で働いていた人が、私が所属していた介護施設に、無資格のまま転職してきたことがありました。
とても温厚で、“き”がつくほど真面目で、一生懸命で、人柄も良く、なんでこんな人を前の会社は手放したんだろう・・・
と、私からしたら、ある意味介護業界に来たのが信じられないくらいの人でした。
本人に話を聞く機会があり、詳しく聞いてみると、前の会社でリストラがあったらしく、
「自分よりも年上でもう少しで定年の人が辞めさせられそうになったのを、自分が辞める事によって中止してもらった」
ということでした。
さらに「美談だと言われるのが嫌」とのことで、他人にもほとんど話したことがないようでした。
この様な人は、資格なんて持っていなくても全く問題ありません。
介護は「心」で仕事をするものです。資格で仕事している訳ではありません。
ですから、その方はアラフィフのそれなりの年齢をした「おじちゃん」でしたが、すぐに仕事を覚え、利用者からも絶大の信頼を置かれていました。
ただ、やはり専門知識が欲しいと、仕事をしながらも、休みを利用してヘルパー2級の資格を取得しました。
その後、介護福祉士にも合格し、ユニットリーダーとして腕をふるっています。
施設長だった人
市町村の職員で長年働いてきて、ある障害者施設を立ち上げて施設長までされた58歳の人が、親の介護を理由に定年前に役所を辞め、親の介護がひと段落したからと、新入社員として入社してきたこともあります。
施設長までされた方なのに、介護の現場で働くのは初めてだから・・・
と、他の新入社員と全く同じ条件で入社し、一生懸命汗水流して働いていました。
さらには休みを利用してヘルパー2級の資格を取るなど本当に謙虚な方でした。
普通、公務員で、なおかつ上長にまでなった方というのは、癖のあるプライドが出てしまい介護のような仕事でさらに新人として仕事をするなんてことはできません。
最初からプライドが高い新人
介護の専門学校を卒業して、最初から介護福祉士を保持していたとある新入社員がいました。
最初から介福を持っている優越感からなのか、鼻高々でプライドが強いというか傲慢な印象でした。
そして同僚たちを資格で人を判断し、ヘルパー2級しか持っていない人や無資格の人に対しては、年上だろうが鼻であしらっていました。
それでは職場の雰囲気が悪くなりますし、介護福祉士を持っているくらいで鼻にかけているようでは本人の為にも良くありません。
同じ介護福祉士保持者として、徹底的に同じフィールドに立ち、自分がどれだけ未熟なのかということを感じてもらう様に、やや手荒に対応しました。
嫌味な姑の様で非常に心苦しかったのですが、
- 褥瘡発生の原因は?
- それに対する予防策は?
- (片麻痺の人の)車椅子の移乗を、自立支援の観点でやってみて
- 車椅子での食事摂取の時になぜ、フットレストに足を乗せたままなの?
- そもそもなぜ、車椅子のままで食事を摂っているの?
などなど、座学で学んだ事を実際の現場で活かすのがどのくらい大変か、介護福祉士資格を取得していない人が出来ている事を、なぜあなたは出来ないのか?ということを徹底的に肌で感じてもらいました。
もちろん、少しずつ段階を踏みながらですが。
結局、謙虚になりきれなかったその人は、退社してしまいましたが、その高慢な態度に利用者からも苦情が出ていたので、自分の行動について、自分で責任を取ってもらったという結果になりました。
とりあえずヘルパーになった人
ホームヘルパーの資格を取得する動機が、仕事を得ることがメインになっており、
「介護の仕事はニーズが多いし、とりあえずヘルパー資格を取っておくか…」
という場合、正直言って困った人が多いのが現実です。
それは働き始めてから周囲を困らせるまでもなく、資格取得のカリキュラムの一環として行われる施設実習の時からそれが表に出ています。
施設実習
まず、意欲をもって実習しようと思いませんから、笑顔がありません。
まぁ笑顔は緊張すると出ない人もいますから仕方ないかもしれませんが、
- 声が小さい
- 利用者の話しを聞かない
などなど、まるで「やる気」がありません。
働き始めてからも
当然ながら、資格を取得して実際に働き始めてからもトラブルを起こします。
言われたことしかやらない
例えば、本人にやる気があまりありませんから、同じ事を何度も指導しなければなりません。
自分から仕事を見つけようとして動かないので、言われた事しかやりません。
ダラダラやる
言われた事も、「出来るだけ素早くやって他の仕事をして早く利用者に関わりたい」と思いませんからダラダラやります。
変なプライドが付いている
特に転職の場合、ある程度の社会人としての経験を踏んでいる方もいますから、そうなるとさらに悪い状況もあります。
謙虚に指導が受けられないので、ヘルパー研修で習った事と違うように指導された場合は、
- それは習っていないので出来ません
- 本当にそんな事をやるんですか?
- それに何か意味があるんですか?
など、何かと言えば「ああ言えばこう言う」状態です。
また、間違いを指摘されても、素直に受け取る事が出来ずに、よく言い訳を言ってしまう方も多いです。
これらは、特に指導する側が自分よりも年下である場合には、この傾向が強いと感じます。
ヘルパー研修は、介護が必要な方の役に立てるように、基礎を築くための講座です。
そこで習ったことが全て正しいというものではなく、完璧な教科書でもありません。
研修で習ったことを叩き台にして、現場で活かせる知恵にしていって頂きたいと思います。
ブラック主張が強い
定時で帰れない事に対し不平を募らせます。
休憩がしっかり取れない事業所も結構ありますが、それに対して「労働基準法違反だ」と言います。
これらの事柄は、間違ってはいません。
正しい事なのですが、いつでも正しい事を言えば仕事がうまく回る訳ではないのが社会というものです。
定時で帰れない事が多いのだとしたら、なぜ帰れないのか自分の仕事を分析してみて、改善方法のアドバイスを求める事も出来るはずです。
やる気の無さは見ぬかれてます
人間対人間ですから、
- 相手が自分の事を気遣ってくれているのか
- 話を聞く気があるのか
という事は、高齢者は敏感に察知します。
これは年を重ねていても感じるものなんですよね。
そんな状態ですから、利用者からも同僚からも信頼されることがなく、ますます本人もふてくされていって悪循環というのが典型的なパターンです。
他に仕事がないから「とりあえず介護資格」と考えている方は、そのような状態で現場に出られても上手くいくことはありませんから、結局は回り道になってしまいます。
それでしたら、最初から本当に自分が納得する道に進まれた方が良いのではないかと私は考えております。
介護業界に入ってくる人は様々
介護の世界は、転職や新任など、色々な個性の人に会えるというのも魅力の一つかもしれません。
あなたがもし異業種の世界から介護業界に転職しようと思っている方なら、上記のエピソードが参考になると思います!