特別養護老人ホームでのケアマネージャーの仕事

特養におけるケアマネの役割

私は特養(特別養護老人ホーム)で介護の仕事をしていますが、入所される利用者様の殆どは在宅や他の施設からの入所になります。

 

「特養から特養へ」の入所される利用者様は私が10年勤めている中ではいませんでした。
そのぐらい全国的に見ても稀なケースだと思います。

 

まずは情報収集

例えば、ある方が在宅から特養へ入所された場合、家で生活していた時の生活が継続できるように、ケアマネによってケアプランが作成されて支援がなされていきます。

 

生活を継続するために、一般の介護員が出来ることは、ご本人やご家族に、

  • 今までどんな生活をしてきたのかを尋ねたり
  • 推測をしたり

することです。

 

しかし、介護支援専門員であれば、もっと色々なところから情報を得られたり、ご家族に対しても、もっとこちら側から情報共有を働きかけることができるようになります。

 

ケアマネージャーの役割

 

入居者のことを正しく知る

在宅から入所に至った方は、施設のような面積の広い建物にくることで、一気に行動範囲や移動距離が広くなり、生活していく上での勝手が悪くなるだけではなく体力的にもダメージになる場合があります。

 

入居前には、一日もしくは一週間で、どれだけの介護サービスを利用していたかを知ることで、その方の大体の一日の活動量が予想できたり、必要な支援が見えてくることがあります。

 

その為にケアマネは、入居者の方が施設に入所する前に受けていたサービスがどんなものか、

  • 名前だけではなく、
  • どのくらいの規模で、
  • 何を目的として、
  • どのような方法で、
  • どのようなサービスが提供されていたか

を知っていないと、生活を継続するための正しい支援をしているかがわかりません。

 

なので、ケアマネにとっては、まずは正しい情報を得ることが重要になってきます。

 

介護員の知識不足はケアマネの責任?

実際、私の職場である話ですが、以前の施設ではオムツ代は自分持ちだったために、初めて面会に来られるご家族の方がわざわざオムツを買ってきて下さることがあります。

 

しかし、特養の入所施設ではおむつ代が介護給付されているということが解らずに、職員が家族に対して「どのようなオムツを買ってきてほしい」と注文してしまっていたから起こってしまったことでした

 

ご家族に、特養の役割やサービス内容を正しく解りやすく伝えることは、何よりの信頼関係作りの材料になります。

 

こういったことが起こってしまうのは、ケアマネが施設全体の介護職員に対して、情報共有を怠っていたことが原因とも言えます。

 

全体を俯瞰して、事前に注意喚起することもケアマネには必要になってきます。

 

実力で現場を動かせるケアマネージャーになろう

私は現在も介護員として従事しているので、介護支援専門員は本当に難しい仕事であることを日々の体験から実感しています。

  • 制度や役所
  • 利用者とご家族
  • 現場の介護員

全ての関係者との間で板ばさみになるポジションです。

 

なので、柔軟な考えをもてて、信頼を得られる人でなければなりません。
コミュニケーション能力も長けていなければなりません。

 

「なりません」というと偉そうですが、そういう人でなければ現場が回らないのが実際のところです。
それに失敗してしまうと・・・

 

私の職場でも、仕事内容の難しさ、人付き合いの難しさから何人ものケアマネが退職していきました。

 

以前のケアマネ

私の職場は介護保険制度が始まる前のケアから、なかなか抜け出すことが出来ませんでした。
そんな状況において、ケアマネも新しい方法と古い方法の間で、またしても板挟みに合っていました。

 

ケアマネとしては、新しい方法を現場に提案しようと試みるものの・・・
現実的ではない新しい情報や理想論ばかりを述べると批判されてしまうのでした。

 

そして、結局は「しがらみ」に捕らわれて何も変えられず、介護員が行っていた古いケア方法に合わせたケアプランを立てていました。

 

しかし、ようやくと時は流れました。

 

実力あるケアマネージャー

 

新しいタイプのケアマネが登場!

新しい方法を前の職場で実践してきたケアマネが入ってくると、介護員だけでは考えもつかない方法を提案してくれたり、人間として当たり前のことを投げかけてくれました。

 

やはり、私たち介護員は普段の業務に追われているので、やり方を変えることは難しかったですし、勇気が必要だったのです。

 

ですから、ケアマネが、新しい介護や知識を介護員に教えてくれたり、常識論を述べて現実に引き戻してくれることが必要だったのです。

 

これからはより利用者の立場になって考える

介護員はケアプランの実現に向け現場で支援をしていくので、ケアマネは介護員が出来るか出来ないかではなく、利用者の環境だけを考慮してケアプランを立てていただきたいと思います。

 

また、介護員が介護をしていく上で、より新しい制度や新しい方法を伝授していってほしいと思います。
そうでなければ、資格だけのケアマネだと周囲に思われて、結局は現場が沈んでしまいます。

 

これから目指す方へ

現在、介護員からのステップアップを目指している方や転職を希望されている方も沢山いることと思います。

 

資格取得まで現場で多くのことを吸収しておくことがケアマネとしての財産になり、今まで現場で培ってきた利用者のニーズを見分ける目と、それをかなえるための沢山の支援方法が武器となります。

 

次々と変わっていく制度の中で介護の窓口として頑張ってもらいたいと思います。

 

介護業界は、介護支援専門員まで取得すればキャリアアップができます。
正しい知識と技術を身につけ、魅力を伝えていくことが今後の介護員の課題であると思います。

 

介護職の社会的なイメージを上げ、将来の介護業界を担う人材が沢山でてくれることを願っています。

 

次は「ケアマネ試験に一発合格できた勉強方法」です。

 

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